2004年2月25日(水)。
自転車に乗って街中をブラブラしていると、ある看板が目に飛び込んできた。
「話題沸騰 90万部突破 『蹴りたい背中』 綿矢カレー 期間限定」
「綿矢さん 歓迎」
ここは早稲田大学の目の前だし、当時世間でも「綿矢りさ」が話題になっていたし、まぁ、こんな便乗商法も出てくるんだろうなー、と思いながら、僕はその店の前を通り過ぎた。
それにしても、ひどい。あざといね。
最近、芥川賞を取ったとはいえ、単なる一学生だ。
それをネタに商売をするなんて。
店主はどんな神経をしているのだろう。
それに釣られて店に入る客も客だ。
見た感じ店内はガランガランで、客なんて誰もいそうになかったけど。
ま、そんなのに釣られて入る客がもし、いたら、の話ね。
きっといい年して彼女もできず、「綿矢りさ萌え~」とか言ってるようなオタクくん?
ちょっとキモイね。
そんなヤツがこの店に入って、綿矢カレーを食べるんだろうな。
そんな勝手な想像が、ゆるぎない固定観念となって、自転車を漕いでいる僕の頭の中をよぎって行った。
それから30分後。
僕はまたその店の前にいた。
看板には「綿矢カレー」と書いてある。
中をちょっと覗きこむが、客は誰もいない。
時計を見ると11時。昼飯にはまだ早い時間だからだろうか。
「キモイおたく野郎」
店の前に立っていると、さっき自分が言った台詞が、今度は周りから自分に投げつけられているような感じがして、全身が緊張する。
そんな罵声から逃げ出すには、一刻も早く、この場所から立ち去ることだ。
或いは、そんな罵声の届かない店の中に入ってしまうこと。
僕は、店の中に入って行った。
續きが凄~く氣になるンやけど♪
コメント有難うございます。
お待たせいたしました。
後編をupしました。
宜しくお願いします。