2004年 7月 17日(土)

世界の中心で、綿矢カレーを食べる [前編]

2004年2月25日(水)。
自転車に乗って街中をブラブラしていると、ある看板が目に飛び込んできた。

「話題沸騰 90万部突破 『蹴りたい背中』 綿矢カレー 期間限定」

「綿矢さん 歓迎」

ここは早稲田大学の目の前だし、当時世間でも「綿矢りさ」が話題になっていたし、まぁ、こんな便乗商法も出てくるんだろうなー、と思いながら、僕はその店の前を通り過ぎた。

それにしても、ひどい。あざといね。
最近、芥川賞を取ったとはいえ、単なる一学生だ。
それをネタに商売をするなんて。
店主はどんな神経をしているのだろう。

それに釣られて店に入る客も客だ。
見た感じ店内はガランガランで、客なんて誰もいそうになかったけど。
ま、そんなのに釣られて入る客がもし、いたら、の話ね。

きっといい年して彼女もできず、「綿矢りさ萌え~」とか言ってるようなオタクくん?
ちょっとキモイね。
そんなヤツがこの店に入って、綿矢カレーを食べるんだろうな。

そんな勝手な想像が、ゆるぎない固定観念となって、自転車を漕いでいる僕の頭の中をよぎって行った。


それから30分後。
僕はまたその店の前にいた。
看板には「綿矢カレー」と書いてある。
中をちょっと覗きこむが、客は誰もいない。
時計を見ると11時。昼飯にはまだ早い時間だからだろうか。

「キモイおたく野郎」

店の前に立っていると、さっき自分が言った台詞が、今度は周りから自分に投げつけられているような感じがして、全身が緊張する。
そんな罵声から逃げ出すには、一刻も早く、この場所から立ち去ることだ。

或いは、そんな罵声の届かない店の中に入ってしまうこと。

僕は、店の中に入って行った。

モエドール出禁じょにぃでっぷりん [2004年07月17日 11:08] | コメント (2) | Edit
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『 世界の中心で、綿矢カレーを食べる [前編] 』 へのコメント
1 名前: :2004/07/20(火) 03:24:14 ID:XomiZpZo

續きが凄~く氣になるンやけど♪

2 名前:じょにぃ でっぷ りん :2004/07/21(水) 21:41:51 ID:82PCXWpI

コメント有難うございます。

お待たせいたしました。
後編をupしました。

宜しくお願いします。